二倍に広がる個性
サン・テミリオンとサン・テミリオン・グラン・クリュは同じ卓越したDNAを共有しており、誰もが憧れを抱く響きを持っています。情熱あふれる家族経営の生産者たちによって庭のように大切に手入れされた特別なブドウ畑と、ユネスコに認定された文化的景観、そして分かち合うにふさわしい偉大なワインがここにあります。
サン・テミリオン / サン・テミリオン・グラン・クリュのブドウ畑の特徴
重要ポイント
- 9つの村にまたがり2つのAOPを有する5400ヘクタールのテロワールと、700戸の生産者たち。13世紀にわたってその中心を担ってきたサン・テミリオンは、まさにブドウ畑の主役と呼ぶのにふさわしい存在です。
- 驚くほど多様な地質によって形成された区画がモザイク状に広がっています。それをやさしく育む温和な海洋性の微気候、そしてメルロを主体に、しばしばカベルネ・フランが支える巧みなアッサンブラージュ。こうした素晴らしい組み合わせが、非常に多彩なワインを生み出しています。
- この二つのアペラシオンの違いは何でしょうか?サン・テミリオン・グラン・クリュは、姉妹アペラシオンであるサン・テミリオンよりもさらに厳しい基準で造られています。収量はより少なく(46hl/ha対53hl/ha)、熟成期間は最低でも10か月長く、すべてのロットに対して管理・検査が義務付けられています。
サン・テミリオン / サン・テミリオン・グラン・クリュとそのワインが愛される理由
- 人の手が行き届くほど小規模で、宝石のように大切にされたブドウ畑があるから。情熱的な家族経営が多く、真心のこもったワイン造りを行っています。
- 1999年に世界で初めてブドウ畑としてユネスコ世界遺産に登録された素晴らしい景観美があるから。
- 繊細さと多様性の両方で飲む人を驚かせる、たまらない魅力を持つワインがあるから。
- すべての生産者がブドウ一粒一粒に気を配り、最良の生育条件を追求しているから。
- ブドウ畑から醸造所まで、あらゆる面で環境保全に配慮されているから。
- 卓越したワインに加え、壮麗な建造物や魅力的な物語があふれる、豊かで驚きに満ちた土地だから。
サン・テミリオンのスタイルの特徴
先ほど少し触れたとおり、ここでは同じ味わいのワインは一つとして存在しません。多彩なテロワールの見事なパッチワーク模様をぜひご覧ください。この2つのAOPのスタイルを一言で表すのは決して容易ではないことがお分かりになるはずです!
しなやかなワイン、力強いワイン、繊細なワイン、果実味豊かなワイン…… あるいはミネラル感に富んだワインがお好みですか?
あえて共通の個性を挙げるとすれば、魅力あふれるまろやかさと、なめらかな口当たりでしょう。そしてそこには常に心地よい爽やかさが寄り添っています。
アロマの豊かさは、野イチゴや赤スグリ、やさしいスパイス、バニラを中心に、時になめし皮やスモーキーなニュアンスへと揺れ動きます。さらに、これらの偉大なワインに共通する揺るぎない繊細さと奥深さも忘れてはなりません。まさに逸品の証です。
言うまでもなく、これほどの品質を備えたワインは長期熟成に適していますが、若いうちも十分に楽しめる魅力を備えています。
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豆知識
ぜひ知っておきたいサン・テミリオンの3つの情報
このアペラシオンについて知る価値のある情報はまだまだあります!
1.
2022年サン・テミリオン・グラン・クリュ格付けで、厳選された85のシャトーがサン・テミリオン・グラン・クリュとして認定されています。これらのシャトーには、「グラン・クリュ・クラッセ」もしくは「プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ」という名誉ある呼称が与えられています。
2.
サン・テミリオンは、時折「千のシャトーの丘」と呼ばれることがあります。その由来は、名高い区画のモザイク状の広がりを見ればすぐに納得できます。この区画構成は最近生まれたものではなく、中世末期の土地所有や経済構造を受け継いだ歴史的遺産といえます。
3.
サン・テミリオンを象徴する自治組織ジュラードは、800年以上もの間この地のワイン造りを見守り続けてきました。現在もなお、140名のメンバー(通称ジュラ)が、愛好家や好奇心旺盛な人々、情熱的なワイン愛好家に向けたイベントを開催し、その名声を維持しています。
土壌の特徴
サン・テミリオンのブドウ畑は実に多彩な表情を見せ、私たちを大いに楽しませてくれます。歴史的なサン=テミリオンの町を囲むアステリア石灰岩の台地、リブルヌ方面へと広がる広大な珪質粘土と砂利の段丘、粘土石灰質の丘陵や谷、そしてドルドーニュ渓谷に広がる砂礫質の平野…… これほどまでに多様な土壌と下層土を備えているからこそ、二つのアペラシオンで実にさまざまな個性のワインを生むことができるといえます。
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ブドウ畑はそれを物語り、この地を訪れる人を決して退屈させません!
時を遡る
8世紀、修道士エミリオンは故郷ブルターニュを離れ、隠遁と祈りの生活に身を捧げることを決意しました。
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大西洋沿いを巡る長い旅の末、彼が永住の地として選んだのがアスクンバーー後のサン=テミリオン村でした。数名のベネディクト会の弟子たちがこの旅を共にし、エミリオンは弟子たちとともに、この地で最初の宗教共同体の礎を築きました。やがて村は少しずつ発展し、数世紀を経て、この修道士の名を冠するようになりました。
エミリオンは、村の有名な一枚岩の教会のすぐ近くにある洞窟の庵で17年過ごした後、767年頃にその生涯を閉じました。彼の聖遺骨はというと……いつの間にか無くなっていました。しかし、その精神は今もなお、彼の名を冠した一杯一杯のワインの中に息づいています。