魅力が凝縮したアペラシオン
サン・テミリオン地区で最も東に位置するピュイスガンは、ワイン愛好家たちの心をつかむ魅力をいくつも備えています。まず挙げられるのは、メルロにとって理想的なテロワールであることと、実にふくよかで味わいのある偉大なワインを生み出す土地であることです。ここには、探訪する価値のある隠れた逸品が数多く眠っています。
ピュイスガン・サン・テミリオンのブドウ畑の特徴
重要ポイント
- ピュイスガンを中心に広がる730ヘクタールのブドウ畑に、106戸の生産者が従事しています。
- 象徴的なサン=テミリオンの町を真正面に望む、丘陵や台地を含む変化に富んだ地形が特徴です。加えて、他に類を見ない南・南東向きの理想的な日照条件を備えていることも大きな魅力です。
- 石灰質や粘土石灰質、砂・粘土質といった豊かな土壌に恵まれており(詳しくは当記事後半をご覧ください)、冬は穏やかで夏は暑く、秋は日差し豊富で降水量は適度という温和な海洋性の微気候を享受しています。つまり、ブドウがしっかりと完熟するための理想的な条件が整っています。
ピュイスガン・サン・テミリオンとそのワインが愛される理由
- 素晴らしく質の高いワインだから。
- 仲間と分け合いたくなるようなワインだから。
- 小規模で庭のように丹念に手入れされた魅力的なブドウ畑があるから。
- すべての生産者が環境保全に取り組んでいるから。
- 何度訪れても飽きることのない、曲線が織りなすパノラマがあるから。
- 訪れるべきシャトー、探索すべきブドウ畑、試してみたい美食レストランなど、思い出に残る旅をするためのすべてが揃っているから。
ピュイスガン・サン・テミリオンのスタイルの特徴
このワインの特徴をひとつ挙げるとすれば、間違いなく、そのアロマの限りない豊かさでしょう。
グラスを前にすれば、誰もがまずその濃く深い色合いに魅了されます。
口に含むとふくよかで果実味豊かですが、心地よい軽やかさも感じられます。タンニンはしっかり感じられますが、洗練されて絹のように滑らかです。アロマはヴィンテージや生産者によって異なりますが、最初に、熟した赤い果実(イチゴやラズベリー)や核果類(プラム、プルーン、チェリー)が感じられます。そして熟成が進むと、ミント、イチジク、カシス、甘草、やさしいスパイスの香りなども加わります。これらはほんの一例です。
ピュイスガン・サン・テミリオンは、長期熟成のポテンシャルにも優れています。5~10年、場合によってはそれ以上の熟成も十分可能です。
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豆知識
ぜひ知っておきたいピュイスガン・サン・テミリオンの3つの情報
偉大なワインにまつわる、ちょっとした物語りと秘密をご紹介します!
1.
この地域の旧石切り場は、優れたワイン貯蔵庫へと生まれ変わりました。一定の温度と理想的な湿度を保つこれらの貯蔵庫は、ワインの熟成に最適な環境を提供しています。
2.
「ピュイスガン」という名前は自らを物語っています。「ピュイ」は村が位置する丘を指し、「スガン」はおよそ西暦800年頃、ここに城を構えたシャルルマーニュの副官スガンに由来しています。
3.
8世紀、修道士であった聖アエミリアヌス(フランス語で「エミリオン」)は、ブルターニュ地方のモルビアンからこの地にやってきて、後に自身の名の付くこの村(サン=テミリオン)を築きました。
土壌の特徴
ピュイスガンでは、ブドウの木はサン=テミリオン地区特有の土壌で伸びやかに育ちます。主に粘土石灰質土壌で、場所によっては砂質シルト土壌も見られます。
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比較的均一な地質のおかげで、メルロが好む適度な湿度がしっかりと保たれ、強い日差しが続く厳しい時期でもその恩恵を受けられます。その結果、豊かな表現力を備えたワインが生まれるのです。
時を遡る
古代ローマ人の働きによって、ガロ・ローマ時代にはすでにこの地域でブドウ栽培が始まっていました。
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しかし、本格的に発展するのは中世になってから、シトー会修道士たちがワイン造りを始めたのがきっかけでした。また、フランスとイングランドの王国間の3世紀にわたる関係の浮き沈みを乗り越え、イングランドの消費者による需要が当地域のワイン人気を後押ししました。
18世紀には、ピュイスガンのブドウ畑の所有者であったピエール・コンブレ・ド・ラ・ノーズが高貴なブドウ品種を導入し、この地の評価を高めました。続く19世紀にはフィロキセラ禍がこの地を襲いましたが、生産者たちは困難を乗り越え、畑を再生させました。そして1954年、こうした努力がついに実を結び、INAO(国立原産地名称研究所)から正式にAOC認定を受けました。