赤ワイン色の人生
美しい起伏のある地形と、歴史あるシャトーを擁するリュサック・サンテミリオンは、昔からブドウ畑とともに歩んできました。隣接する有名なアペラシオンよりも控えめな存在ではあるものの、ここで造られる力強くまろやかな赤ワインは飲む価値が十二分にある味わいを持っています。
リュサック・サン・テミリオンのブドウ畑の特徴
重要ポイント
- リュサックにある1450ヘクタールを越えるブドウ畑では、170戸の生産者が丹精を込めてワイン造りに取り組んでいます。
- サン・テミリオンの象徴的な丘の北側に位置する当地区は、谷や台地が連なる円形劇場のような地形に広がっています。南向きで、まさにブドウ栽培に理想的な環境です。
- 石灰質、粘土石灰質、砂・粘土質などの多彩な土壌が見られ、そこへ温暖な海洋性の微気候(暑い夏・心地よい晩秋・適度な降雨)が加わることで豊かな表現力を備えたブドウが育つ完璧な条件が整います。土壌について詳しくは後ほどご紹介します。
リュサック・サン・テミリオンとそのワインが愛される理由
- いつ味わっても新たな発見があるから。
- 赤身肉、ジビエ、チーズなど、個性ある食材との相性も抜群だから。
- 全ての生産者が環境認証取得済みという、環境を最優先にするAOPだから。
- 庭のように丹念に手入れされた、人の手の届く規模のブドウ畑でワイン造りが行われているから。
- 起伏のある、美しさ際立つ風景が見られるから。
- シャトー見学やブドウ畑の散策、体験型アクティビティなど、忘れられない滞在を叶える条件が揃っているから。
リュサック・サン・テミリオンのスタイルの特徴
エレガントで骨格がありつつ、滑らかで豊かさも感じられるこのワインは、味わう人を魅了します。
ボルドー右岸の伝統を体現した、抗いがたい個性。
しっかりとしたルビー色の外観の奥から力強い香りが漂い、食欲をそそる赤い果実を中心に、甘草やプルーン、スパイスのニュアンスがアクセントとなります。樽熟成を経て、ロースト香やバニラ香が加わることもあります。熟成が進むにつれ、ワインの奥行きや個性はいっそう深まり、ときにはジビエを思わせる複雑な風味も表れます。
長期熟成については、シャトーやヴィンテージによって異なりますが、なかには5〜10年ほどの熟成は言うまでもなく、ときにはそれ以上の熟成に耐えるものもあります。
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豆知識
ぜひ知っておきたいリュサック・サン・テミリオンの3つの情報
アペラシオンの裏側をのぞいてみましょう。
1.
サン・テミリオンという地名は、8世紀のブルトン人修道士の名に由来します。右岸のこの有名なワインの町を築いた人物で、本名(ラテン語表記)はアエミリアヌスといいました。
2.
「サン・テミリオン」の名前の由来は知られていますが、「リュサック」はどこから来たのでしょうか?一説によれば、ローマ帝国時代にこの地で広大な農園を所有していた人物、ルシウスに因んだとされています。
3.
サン・テミリオン地区の中で最も北に位置するこのアペラシオンは、その昔、ドルイド教の重要な場所でした。ピカンポーの丘に今も残る巨石がそれを物語っています。
土壌の特徴
リュサック・サン・テミリオンのブドウ畑は、この地域の典型的な土壌がさまざまに混じりあい、ワインにその恩恵をほどこしています。西側には石灰質台地と粘土石灰質の小丘が広がり、メルロにとって理想的な環境となっています。北側には、古い時代に川がもたらした砂・粘土質の地層が見られます。
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さらに特筆すべきは、谷と台地が弧を描くように段状に連なることで、自然の排水性が理想的に得られる点です。これ以上望むものが他にあるでしょうか?
時を遡る
すべては今から二千年以上前に始まります。紀元前56年には古代ローマ人がこの地の森を切り開き、最初のブドウ畑が作られました。その証拠として、アンフォラや小鎌などの多くのガロ・ローマ時代の遺物が見つかっています。
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ドミティウス帝の時代に一時的な中断はあったものの、リュサックのワイン作りの精神は途絶えることなく受け継がれ、中世になると新たな発展を遂げました。シトー派の修道士たちがブドウ栽培を継続し、ワイン愛好家であるイングランド人が市場を支えたことで、ワインは再び貴重なものとなりました。そして啓蒙時代には、この産地のワインの卓越した品質は、誰もが認めるものとなりました。
19世紀には、フィロキセラによってブドウ畑が壊滅的な被害を受けましたが、生産者たちは勇気と決意をもってそれに立ち向かいました。20世紀には公式な認定の時代を迎え、1954年にAOCリュサック・サンテミリオンが正式に誕生しました。以来、この地区の赤ワインは世界中のすべてのワイン愛好家たちを魅了し続けています。