グラン・クリュの女王
マルゴーには他と一線を画す特別な魅力があります。女性的でエレガントなそのスタイルは抗いがたい魅力を放ち、唯一無二の存在です。1855年格付けで選ばれたシャトーの数が最も多い赤ワインのアペラシオンでもあります。マルゴーはまさに、メドックにおける優雅さの体現なのです。
マルゴーのブドウ畑の特徴
重要ポイント
- 62戸の生産者が従事する1500ヘクタールのブドウ畑には、1855年格付けのグラン・クリュ、クリュ・ブルジョワ、そしてクリュ・アルティザンなど、多様な名誉が輝いています。赤ワイン好きなら誰もが喜ぶ生産地です!
- 大西洋とジロンド河口にはさまれた4つの村(アルサック、ラバルド、マルゴー=カントナック、スッサン)には、多彩な景観が広がっています。砂礫質の小丘、森林、牧草地など、その魅力的な土地は何よりもブドウ栽培に理想的な環境です。
- 壮麗な建築物や大小さまざまなシャトーが点在し、代々受け継がれてきた家族経営のワイナリーも多く、ぜひ一度は訪れてみたい場所となっています。
マルゴーとそのワインが愛される理由
- 1855年格付けの1級(有名なシャトー・マルゴー)から5級まで、全ランクが揃う唯一のメドックのAOPだから。
- 未来志向の「マルゴー、生物多様性のテロワール」という取り組みにより、地域全体が生物多様性を守る栽培へと移行しているから。
- 高品質で長期熟成型のこのアペラシオンは、セラーで眠らせておくのにぴったりだから。
- マルゴーを味わうことが、家族や友達との楽しいひと時を過ごす絶好の機会となるから。
- 夏にはシャトーを巡り、素晴らしい建築物の数々を鑑賞できるから。
- このワインの名前を取って、女の子に「マルゴー」という名を付けたくなるほどの魅力があるから。

マルゴーのスタイルの特徴
マルゴーはしばしば、メドックで「最も女性的なワイン」だと言われます。なぜなら、繊細さ、しなやかなタンニン、果実味のアクセントが常に感じられるからです。
フィネス、調和、エレガンス。最初の一杯から心を奪われるワインです。
しかし、それだけではありません。マルゴーの土地は比較的痩せていますが、このテロワールが、熟成力をもつタンニンをワインにもたらすため、長期熟成にも適しているのです。もう一つの特徴は、その並外れた多様性です。各生産者が誇りをもって、それぞれのワインにその個性を表現しています。同じDNAを共有しながらも、さまざまな質感やアロマによって、明確な違いが生まれるのです。
シャトーが変われば、マルゴーの表情もまた変わる。そんな多彩な魅力にあふれています。
マルゴーで味わえるワイン
それは、100%赤ワインです!
この地では、6つのブドウ品種が主役の座を分かち合っています。カベルネ・ソーヴィニヨンは誰もが認める中心となる品種で、ワインに力強さと骨格をもたらします。メルロはより果実味が豊かで、まろやかな口当たりと魅力的なアロマを加えます。プティ・ヴェルドは爽やかなアクセントを添え、カベルネ・フラン、マルベック、カルメネールは控えめながらも、シャトー・デ・グラヴィエールやシャトー・キルヴァンなど、一部の生産者たちの間で試験的に用いられています。
美食家の方に: ペアリング
豆知識
ぜひ知っておきたいマルゴーの3つの情報
マルゴーについてもっと知りたい方のために、とっておきの情報をご用意しました。
1.
「マルゴー」が女性の名前として初めて使われたのは、作家アーネスト・ヘミングウェイの孫娘が生まれた時だと言われています。彼女の戸籍上の名前「マーゴット」が「マルゴー」に変わったのは、彼女を授かったときに両親が飲んでいたのがこのシャトー・マルゴーだったからだと言われています。そして、このワインは彼女の偉大な祖父が特に愛した一本でもありました。
2.
近年、このAOPに通常用いられている品種に加え、地球温暖化への対策として7番目の品種「カステN」が試験的に導入されました。この品種の強みは、成熟が遅いこと、べと病への耐性が強いこと、そしてマルゴーらしいスタイルを保てることです。2025年に初の試験収穫が行われ、今後の動向も期待されています。
3.
毎年10月、収穫後に開催される「マルゴー・サヴール」は、地域全体が祝祭ムードに包まれる一大イベントです。4つの村で、コンサート、試飲会、ワークショップ、美食ディナーなど多彩な催しが行われ、誰もが楽しめる内容となっています。
土壌の特徴
マルゴーのテロワールは、ブドウ畑にとってまさに宝石のような存在です。ここには、ガロンヌ川が運んだ砂利が、長さ6km、幅2kmの中央の台地の上に堆積しています。
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この台地は数百万年前、第四紀に形成された6種類の段丘からなり、主に砂・粘土質の土壌からなります。ガロンヌ川によって運ばれた大粒の砂利は、中くらいの大きさの小石と混ざり合うことで、オー・メドックでも特に際立った砂利層を作りました。この古代の層は、石灰岩または粘土・泥灰質の第三紀段丘の上に位置し、最高級のマルゴーワインを生み出す土台となっています。
時を遡る
ボルドー地方の多くの地域と同じく、マルゴーではガロ・ローマ時代からすでにブドウ栽培が行われていました。
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17世紀には、カントナックの領主館や修道院のまわりに良質なブドウ畑が広がり始めます。これは、ルイ13世の命によってオランダ人技師たちが大規模な排水工事を行ったためであり、テロワールを育む決め手となりました。シャトー・マルゴーについての記述が初めて登場したのは、その後間もない1705年のことでした。
しかし、マルゴーが今日のような卓越したワインの生産地となったのは、18世紀末にワインの熟成技術が生まれてからのことでした。それからマルゴーワインの評価はまたたく間に確立され、国境を越えて広く知られるようになりました。
そして迎えたのが、ナポレオン3世主導による、かの有名な1855年の格付けです。61の格付けシャトーのうち21がマルゴーから選ばれ、愛好家を大いに驚かせました。その100年後の1954年にはマルゴーのワイン生産者組合が誕生し、アペラシオンとして正式にAOC認定を受けます。このようにしてその名声と伝説的な魅力は確固たるものとなり、今もなお受け継がれています。
